仮想通貨交換事業も戦国時代に突入していきそうな予感
4月29日付の日経が仮想通貨交換業者に撤退が相次いでいると報じている。
金融庁の求めている審査基準に達せない場合は、経営体制を強化するか、撤退するかの選択を迫り、多くの業者が撤退を選んだ。
仮想通貨交換業者の淘汰は進む
金融庁の規制強化により、多くのみなし業者が撤退を余儀なくされると共に、その経営の実態が明らかになっていくのは投資家にとっては良い事だと思う。
明らかになるにつれて詐欺まがいの業者が存在していた事も判明したが、このような業者も、停止命令を受けた。
以前から取引所の経営の実態は明らかになっておらず、幸か不幸か、コインチェックの巨額NEM流出事件を契機に健全化の歯車が動き出した。
事件をきっかけとして先日コインチェックの財務状況も明らかになり、その超高収益体制が話題ともなった。
今後、100社程度が仮想通貨交換業に参入する
記事によると100社程度が仮想通貨交換業に入ってくるそうだが、SBIバーチャルカレンシーズなど、ほんの1部の大手しか成功しないだろう。
仮想通貨交換業は、そもそもセキュリティを保つ事の技術的ハードルも高い上に、日本におけるIT人材は枯渇しているところからセキュリティに十分な人材を割くことが出来る企業は一部であることが予想される。
セキュリティに問題のある企業より、サーバー環境の整いセキュリティに信頼のおけ、かつ流通量が十分な大手交換所と取引したい、というのは当然のトレーダー心理であると思う。
(信頼のおける取引所で取引するという考え方はビットコインの考え方に反するような気もするがw)
これから仮想通貨交換業に参入する新規事業者は、セキュリティの問題を抱えながら、大手とパイの奪い合いをしなければならないので、既存の交換所と差別化をすることが出来なければ、仮想通貨交換事業の超高収益体質の恩恵をあずかることは出来ないだろう。
今後は交換所の一極集中化が進む
仮想通貨交換事業についても、コインチェックのような高収益を今後あげる事ができるかどうかは不透明だ。
SBIバーチャルカレンシーズは、低スプレッドで運営をしていくようだし、コインチェックのような高スプレッドをしていく交換所は、低スプレッドの取引所と勝負出来ないので、必然的にスプレッドの低さを競い合うようになる。
そうなれば、大手以外の体力のない交換所は太刀打ち出来ないので、自然と淘汰されていく。
現在は、ビットフライヤーなどの数社が仮想通貨交換所のシェアを独占している状況ではあるが、来年の今頃は全く違う顔ぶれになっているかもしれない。
DEX(分散型取引所)も注目
仮想通貨交換業者は、今後シェアを伸ばしていくであろうDEX(分散型取引所)との競争もしていかなければならない。
DEXは既存の交換事業者とは違い、中央管理者がいない、非中央集権型の取引所で、強みは、手数料の低さだ。
他の特徴として本人確認が不要などの点があるが、取引の実態が既存の交換所以上に把握しづらいので、金融庁がどのように対応していくかも注視していかなければならないと思う。
現在でも既に相当量の取引がDEXによって行われているようだ。
今後も、仮想通貨交換事業の展開に目が離せない。